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第354回 例会2022年8月31日(水)0:00〜2022年9月6日(火)23:59 開催

開 会

点 鐘

ロータリーソング

四つのテスト

会長の時間

2022-23年度会長 大塚 和光

 皆様、おはようございます、こんにちは、こんばんは。どれか当てはまるもので、先ずは、ご挨拶。2022-23年度会長を務めます大塚和光です。どうぞ、よろしくお願い致します。

 第347回例会以来、何回か貧困について考えてきました。考えを進めるほどに貧困問題が全ての問題の根源にあるという思いを強くします。初めに述べたように、ロータリーの奉仕活動は実に多岐にわたります。その奉仕について考える時、SDGsの考え方は広範囲に網羅されているうえに良く整理されており非常に参考になると思います。繰り返しになりますが、SDGsは17項目の目標が掲げられており、169のターゲットが挙げられています。特に始めの6項目に関する活動はロータリーの奉仕活動の事例として多く見られますし、理解もし易く取り組みやすいと言えそうです。

 今回からは17項目の2番目「飢餓をゼロに」を見てみようと思います。ここでも最近のウクライナの事案を言うまでもなく政治・経済・軍事絡みの様々な要因と、そこから派生する所謂、貧困国の飢餓が問題になります。

 飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する

 ターゲット

 2.1 2030年までに、飢餓を撲滅し、全ての人々、特に貧困層及び幼児を含む脆弱な立場にある人々が一年中安全かつ栄養のある食料を十分得られるようにする。
 2.2 5歳未満の子供の発育阻害や消耗性疾患について国際的に合意されたターゲットを2025年までに達成するなど、2030年までにあらゆる形態の栄養不良を解消し、若年女子、妊婦・授乳婦及び高齢者の栄養ニーズへの対処を行う。
 2.3 2030年までに、土地、その他の生産資源や、投入財、知識、金融サービス、市場及び高付加価値化や非農業雇用の機会への確実かつ平等なアクセスの確保などを通じて、女性、先住民、家族農家、牧畜民及び漁業者をはじめとする小規模食料生産者の農業生産性及び所得を倍増させる。
 2.4 2030年までに、生産性を向上させ、生産量を増やし、生態系を維持し、気候変動や極端な気象現象、干ばつ、洪水及びその他の災害に対する適応能力を向上させ、漸進的に土地と土壌の質を改善させるような、持続可能な食料生産システムを確保し、強靭(レジリエント)な農業を実践する。
 2.5 2020年までに、国、地域及び国際レベルで適正に管理及び多様化された種子・植物バンクなども通じて、種子、栽培植物、飼育・家畜化された動物及びこれらの近縁野生種の遺伝的多様性を維持し、国際的合意に基づき、遺伝資源及びこれに関連する伝統的な知識へのアクセス及びその利用から生じる利益の公正かつ衡平な配分を促進する。
 2.a 開発途上国、特に後発開発途上国における農業生産能力向上のために、国際協力の強化などを通じて、農村インフラ、農業研究・普及サービス、技術開発及び植物・家畜のジーン・バンクへの投資の拡大を図る。
 2.b ドーハ開発ラウンドのマンデートに従い、全ての農産物輸出補助金及び同等の効果を持つ全ての輸出措置の同時撤廃などを通じて、世界の市場における貿易制限や歪みを是正及び防止する。
 2.c 食料価格の極端な変動に歯止めをかけるため、食料市場及びデリバティブ市場の適正な機能を確保するための措置を講じ、食料備蓄などの市場情報への適時のアクセスを容易にする。

 7月7日付の朝日新聞朝刊にベルリンからの外電として「世界の10人に1人 飢餓の影響」という見出しの記事があります。国連世界食糧計画(WFP)など国連の5機関が6日に「世界の食糧安全保障と栄養の現状」につき発表したとあります。WFPの他は国連食糧農業機関(FAO)、国際農業開発基金(IFAD)、国連児童基金(UNICEF)、世界保健機関(WHO)の4機関が参画しています。これらの関与する機関の名称からも「飢餓」の問題が多岐に渉るものだと理解出来ます。
 それによると、「飢餓人口」は2015年以降は概ね横這いだったとあります。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で食糧価格が上がったことなどに伴い、飢餓人口は2020年に急増し、2021年も増え続けて約8億2800万人にのぼり前年から約2600万人も増えたとあります。これは世界人口の9.8%に当ります。ロシアのウクライナ侵攻による影響で更なる悪化が現実のものとして懸念されているところです。生産そのものの減少と輸出入が阻害されるのと、それらに伴う価格上昇と。

 飢餓人口は食事から得られるエネルギーが不十分で慢性的な栄養不足に陥っている人々を指します。これまでも日本の貧困問題の中で取り上げてきたように現代の我が国においても児童、学童の飢餓問題は存在します。そうした中、今年度実施されるIMの事業として9月21日に予定されている第3グループの会長幹事会でフードリボン(夢食堂)プロジェクトが取り上げられるようです。
 その目的は「子供たちが当たり前にご飯を食べられる場所を作る」とあり、目指す世界として「小さな愛情が地域社会で循環し温かい交流が深まっていく世界」ともあります。一般社団法人ロングスプ-ン協会が主体になって展開している活動のようです。
 ターゲットの2.1「2030年までに、飢餓を撲滅し、全ての人々、特に貧困層及び幼児を含む脆弱な立場にある人々が一年中安全かつ栄養のある食料を十分得られるようにする。」に合致した活動です。ロータリーがクラブの集合体であるグループで取り組むとあれば個々のロータリアン個人はまさに「出来る時に出来るだけ」の参加がし易くなります。
 どのような内容なのか、どういった参加方法になるのか。こうした地域社会奉仕から始めて国際社会奉仕への道筋を広げてゆくのが無理のない王道だとも思います。

幹事報告

2022-23年度幹事 原 いづみ

今回はありません。

委員会報告

出席委員会

第353回例会 出席率 66.6%
 会員数 3名 出席者 2名 欠席者 1名

Make Up

第353回例会のビジターコメント

前回はありませんでした。

Smile Box

第353回例会のスマイル報告

前回はありませんでした。

カレンダー

卓 話

きものがたり歳時記(三十一)

卓話者:十一代目 大塚重郎右衛門 様

 

 平成三十年五月一日付け朝日新聞の夕刊の記事に「皇后さま 蚕と共に」として「ご養蚕始の儀」の記事がありました。それを参考にして、一部はそこから引用します。
 まず、紅葉山御養蚕所の代田主任と共に美智子皇后が手にお蚕さんを持っておられる色刷りの写真が目を引きます。
 皇后陛下が主任の持つ盆の上から蚕をすくい上げて繭作り用の場所(マブシ)に移そうとするシーンです。養蚕を知らない人は美智子様が白い虫を掌の中に掴んでいるのを見てびっくりするかもしれませんね。
 この写真の左端には、ある程度成長したカイコがメダナ(目棚)で飼育されているのが見えます。目棚とはいわば蚕のアパートで、普通のものは上の階から吊るしたメナワ(目縄=輪をこしらえた縄)に細縄を結び、それにメザオ(目棹)を通し棚状にしたものです。ご養蚕所だけあって、この写真の物は木枠できちんと組まれているようですが。この目棹の上にス(簀=竹などを編んだむしろ)をひき、餌になる桑と一緒に蚕をのせて飼育します。そして、蚕が繭を作るようになると別の目棚へ移して、藁を折り曲げたマブシに繭をつくらせます。この写真は丁度そのマブシに蚕を移している処、即ち「上蔟」なのです。

上簇
 蚕が四眠して後、体が透明になると、藁・木の枝などを入れた蚕簿(まぶし)の中に入って繭を作り始める。
 これを蚕のあがり又は上簇と言い、養蚕家は上簇(あがり)祝をする。上簇(あがり)団子
  昼からの天気に上簇る蚕かな     小海老
  張り染めし糸にやすらふ蚕かな    みずほ 

 つぼみ主宰の代表句の一つに、この季語のものがあります。皆さんご存知ですね。
 おのれまとふ無尽の糸や上蔟す     山本つぼみ
 そして、この「簇」の文字ですが、新聞の記事などは「上蔟」と草冠で、季寄せは竹冠です。掲句は草冠です。どちらが正しいのかわかりませんが、両方使われています。
 さて、前述の記事によれば、この紅葉山御養蚕所は皇居のほぼ中央にある古風な木造二階建ての建物で、千九百十四年・大正三年に建てられたそうです。主任の代田博士は大日本蚕糸会の養蚕技術研究所の出身で二年前から他の若い助手四人と皇后様を支えているとあります。
 ここで、三種類の蚕を十二万~十五万頭ほど、百年以上前に確立した工程に倣い空調設備や人工飼料などは使わず飼育されるのです。皇后さまは蚕に葉を与えたり、蚕が繭を作るための器、マブシを藁で編んだり、と、ほぼ全ての作業を素手で行う、そうです。
 皇居での養蚕は、明治天皇の妻、昭憲皇太后が養蚕業奨励のために始めたものです。当時、生糸は重要な輸出品でしたからね。その後国内の養蚕業は著しく衰退し、養蚕農家の戸数は、昭和初期の約二百二十万戸から二千十七年には三百三十八戸に激減しました。ここも高齢化と後継者不足です。美智子様も来年の天皇陛下の退位後は、この勤めを退かれます。今年が最後です。過日、皇太子妃の雅子様に引継ぎの為にご一緒に作業をされたという報道もありましたね。
 
 山繭
 信州有明村で櫟(くぬぎ)に放養されている。淡緑色のくびれない大きい繭を結び、強くて光沢のある絹糸が採取され、山繭織となる。山がいこ・やまこ・天蚕。山繭蛾は丸い紋のついた翅(はね)の大きさに一驚させられる。
  樹々の青照るに山蚕も息づける    夜潮 
  山繭のひとつづつ居て垂れさがる   青畝

 樟蠶
 樟蚕蛾の幼虫。栗・胡桃・楢・樟などの木に生じ、栗虫・白髪太郎と言う。繭は粗い太い糸の籠のようで、透かし俵と言い、テグス類似品をとる。てぐす虫・てぐす
  栗の花にまがうて見ゆる天蚕かな   王栢
 
 この連載を読んでくださった方々からよく言われることが「よくあんなに書くことがありますね。」というものです。要するにネタは何なのか、どうしているのか、ということです。季語を引用した時は文末に使用した季寄せとその旨を書いています。しかし、その他は特別な場合以外記載しません。というより出来ないのです。書いてある事柄の殆どは子供・学生の頃から現在まで見たり聞いたり、或いは読んだりしたものです。呉服屋の日常の仕事は半分以上お客様方とのおしゃべりですから何回となく話のタネにしてきましたし、何となく覚えているものなのです。
 さらに詳しく書こうと思えば、その時々にノートに書き留めたりスクラップしたものがありますから、それを引っ張り出します。でも、学術論文を書くつもりでそうしたわけではありませんから普段は特に引用元を記録してないのです。ほぼ五〇年間ですからネタは十分ありますよ。

※引用文は山本健吉編【季寄せ】(昭和四十八年文藝春秋
社刊)による。

※本稿は阿夫利嶺俳句会の月刊誌「阿夫利嶺」に掲載されている連載を編集して掲載しております。※

閉 会

点 鐘

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