第369回 例会2022年12月21日(水)0:00〜2022年12月27日(火)23:59 開催
開 会
点 鐘
ロータリーソング
四つのテスト
会長の時間
2022-23年度会長 大塚 和光
皆様、おはようございます、こんにちは、こんばんは。どれか当てはまるもので、先ずは、ご挨拶。2022-23年度会長を務めます大塚和光です。どうぞ、よろしくお願い致します。
前回で、SDGs4で具体的にどのような目標・ターゲットが立てられているのか、そもそもなぜ質の高い教育が必要なのかお解りいただけたかと思います。今回は、実際に世界の教育は現在どのような状況で、どのような課題が存在しているのか見てゆきます。
世界の教育の現状と課題
ここでは世界の教育における現状と課題を4つ紹介します。
学校に通えないこどもたちの割合
世界で学校に通っていない5歳から17歳の子どもの数は3億300万人で、その3分の1以上に相当する1億400万人は、紛争や自然災害の影響を受ける国に暮らしています。
出典:4.質の高い教育をみんなに | SDGsクラブ
世界で教育を妨げる最大の要因は依然として貧困であり、最貧困層の初等教育学齢期の子どもが学校に通えない可能性は、最富裕層の同年齢の子どもと比較して4倍高いとも言われています。このように教育格差は学習機会の有無や学力の高低のような結果の差ではなく、子ども本人に変えることができない初期条件である「生まれ」と結果に関連しているとも言われています。
早稲田大学の松岡准教授によると、さまざまな「生まれ」がある中でも出身家庭の社会経済的地位と出身地域は主要な初期条件になります。この「生まれ」によって、教育成果(学力や学歴など)に違いがあることを「教育格差」と呼びます。社会経済的地位は文化的・経済的・社会的な要素を統合した概念で、親の学歴・世帯収入・職業などで構成されていて、高いほど子どもの教育にとって有利な条件と言われています。
女子への教育の浸透の低さ
世界には小学校・中学校・高校といった学校という場所に通うことができない女の子が約1億3200万人いると言われています。学校に通えている女の子の中でも質の高い教育を受けることのできない子もいるのが現状です。
女性は男性に比べて能力や体力が劣るとされ、社会的役割が異なるという意味が含まれている「女子教育」という言葉も存在するほどです。この女子教育では勉強以外に家庭教育や社会教育といった内容を含んでいる場合もあり、地域によっては「女は勉強する必要がない」と思われている場合もあります。
学校に通えない女の子、1億3200万人のうち、約5200万人はサブサハラ以南のアフリカ、4650万人は南アジアと偏った地域に住んでいることが分かっています。
識字率の低さ
ご承知のように文字の読み書きや理解する能力を「識字」と呼び、文字の読み書きができる人の割合を「識字率」と呼びます。世界では15歳以上で字の読み書きができない人は6人に1人に匹敵する7億8100万人と言われています。
識字率の低さには歴史的、地理的問題がある場合が大きく関係しています。後発途上国の多くは第二次世界大戦後独立した国が多く、その後も紛争や差別によって経済的にも困窮している国が多いのが特徴です。そのため地域独自の言葉しか話せない教師も多く、公用語が浸透しにくい環境に陥ってしまうのです。
読み書きができないと社会生活で困難なことが多く、契約書などの文章が理解できずに家を借りて後でトラブルに巻き込まれたり、就職先がなかったりと苦労することがあります。また薬品に書いてある文字が読めずに命を落とすケースもあり、識字率の向上は解決すべき深刻な課題の1つです。我が国の現況からは想像できない状況です。
新型コロナウイルスパンデミックによる教育面の不平等の拡大
新型コロナウィルスの感染拡大を受けて、教育格差が広がったという問題があります。
新型コロナウイルスの感染拡大によって、世界中の学校が一時的に閉鎖されたり、オンライン授業に切り替えられました。国際連合広報センターによると、新型コロナウイルスの影響で、16億人の子供たちが学校に通えていない(2020年4月時点)と報告されました。新型コロナウィルスの影響で学校が数ヶ月休校になったことは大きな教育格差に繋がっています。家庭環境によっては、勉強机がなかったり常に兄弟姉妹と同じ部屋にいなくてはならないなどの理由から、勉強の意欲が削がれる生徒も少なくなく、休校期間中に勉強に遅れが出てしまう生徒もいました。
またPCなどの通信機器がない家庭ではオンラインの授業が受けられず、本来受けられるはずだった授業が受けられないという不平等性が新たな課題として浮き彫りになりました。我が国においても多くの子供が満足に食事がとれていない問題と合わせて、こうした部分にも、いわゆる相対的貧困が最大の要因となって影を落としているのです。
幹事報告
2022-23年度幹事 原 いづみ
◆休会のお知らせ◆
アーカス湘南ロータリークラブ定款第6条第1節により、2022年12月28日(水)~ 2023年1月10日(火)につきましては休会といたします。
◆2023-24年度実施 第2回地区補助金説明会/補助金管理セミナー◆
日 時 2023年1月28日(土)14:00 ~ 17:00
※地区補助金説明会は、16:00終了予定
※説明会終了後、合同個別相談会8F/補助金管理セミナーを6階で開催いたします。
場 所 JR藤沢駅南口 第一相澤ビル6・8階 会議室
〒251-0055 神奈川県藤沢市南藤沢22−7
対象者 クラブ申請は会長エレクト、共同申請は主幹クラブ会長エレクトの出席が必須。
また、奉仕プロジェクト委員長、R財団委員長、会長、幹事のうち1名、
1クラブ会長エレクトを含めた2名が必要。
委員会報告
出席委員会
第368回例会 出席率 66.6%
会員数 3名 出席者 2名 欠席者 1名
奉仕プロジェクト委員会
お米プロジェクトVol.4 ~ご飯を食べてポリオを根絶!!
今年度は今のところお申し込み具合がかなり鈍いです。選別作業の方は少しずつすすめ取りますので、皆さんもご案内よろしくお願いします!!
Make Up
第368回例会のビジターコメント
前回はありませんでした。
Smile Box
第368回例会のスマイル報告
前回はありませんでした。
カレンダー
卓 話
ヘアドネーション
卓話者:原 いづみ(アーカス湘南RC)
ヘアドネーション(Hair Donation)とは、伸ばした髪の毛を医療用ウィッグの素材として寄付する慈善活動で、近年日本でも知名度が高まり、老若男女様々な人が活動に参加しています。このヘアドネーションをテーマにした卓話は、第224回例会(2019年10月16日(水)0:00〜2019年10月22日(火)23:59 開催)で一度お話しさせて頂いておりますが、覚えていらっしゃいますでしょうか。
前回の卓話を書かせて頂いてから三年ですが、私が初めてヘアドネーションをしたのがその一年くらい前だったと記憶しています。ですので、前回のドネーションからこの四年間ずっとカットしてない私の髪の毛は自分史上最長の長さとなっており、そろそろカットして送ろうかなと思っていたこともありまして、今一度こちらで取り上げさせて頂き、ヘアドネーションについて、今回はその功罪について少々考えたことを書かせて頂こうと思います。
前述の通り、前回のドネーションから四年近く延し続けた髪は現在臀部の少し下くらいまでの長さになっており、不足しているいと言われている50cm以上の長さでドネーション出来る長さにまでなっています。4月の末頃から10月いっぱい位はアップスタイルにしてしまっているため、その長さを周囲の方が気付くことはほぼないのですが、寒くなってくるとハーフアップのスタイルにしていますので、そうすると皆さんさすがにその長さに気付かれ、そうなると大抵の方に「シャンプー大変でしょ」とか「髪の毛乾かすの大変でしょ」と言われます。しかしながら、肩くらいの長さから一気に今の長さになったわけではなく日々少しずつ長くなっているので、そうした中で大変と思うことはないのですが、一気に短くした時にはその落差は大きく、その時ばかりは随分楽になったというか、簡単になったと気付く次第です。
さて、少し話がずれてしまいましたが、ヘアドネーションの基本的な説明などについては再掲載の下記の部分を読んで頂くとして、今回はヘアドネーションの功罪について少し考えてみたいと思ったのは、四年ぶりにドネーションをするにあたり、送り先や条件などについて改めてインターネットで調べていたところ、「ヘアドネーションの美談化に警鐘 「ウィッグを受け取る側にも関心寄せて」NPOの願い」(ほ・とせなNEWS の意見 – 2022年12月11日)、「無邪気な「ヘアドネーション」に潜む“罪”。なぜ「いいこと」で終わらせてはいけないのか?(HUFFPOST 2022年10月08日)、「ヘアドネーションという罪。「いいこと」がもたらす社会の歪みについて ヘアドネーションは本当に生きやすい社会を作っているのだろうか?(ランドリーボックス2022年5月13日) という記事を目にしたのです。どの記事もタイトルだけ見ると、ヘアドネーションという慈善行為に対してネガティブな印象を受けますよね。
3年前の卓話でも、日本でのヘアドネーション活動の第一人者である渡辺貴一氏が「ヘアドネーションという活動がなくなることが私たちの目標です」とされ、『個性として受け入れられているように、「髪がない」ことも個性として迎えられる、そんな多様性のある社会をめざして活動を続けていくのだそうです。』ということは言及しておりますが、当時はこうした発言を意外と受け取っていました。
私がヘアドネーションをするに至った切っ掛けは癌で他界した叔母の一言からで、普通に切ってしまえばその後は産業廃棄物、つまりはゴミとして捨てられてしまう毛髪が、ヘアドネーションをすることでウィッグへと生まれ変わり、病気や怪我で必要としている子供もたちにのもとに届けられる、誰かの役に立てる、沢山の人の笑顔につながる大切なボランティア活動と思っておりましたが、いくつか記事を読み進めて行くにつれ「提供される側であるレシピエントと、ウィッグを使わざるを得ない社会」だということが非常に気になるようになったのです。
確かに、有名人などがヘアドネーションをするとメディアで取り上げられることも珍しく無く、ドナー側にスポットが当てられてそちらの視点からの体験談などの記事は目にすることはありますが、レシピエント側の視点での話はあまり読む機会はあまりないのではないでしょうか。
病気などで髪の毛の無い人たちが何故ウィッグを必要とするのかを考えたとき、それは渡辺氏が指摘するように、ウィッグを使わざるを得ない社会、髪がないと生活が困難だと感じることのない社会だからでしょう。おしゃれでウィッグをつけて楽しんだり前向きな気持ちになって救われた人も居ますが、ウィッグをつけたいということと、ウィッグをつけなければならないということは意味が異なります。恥ずかしながら、今回前述の記事を読むまでは自分の髪が誰かの役に立つのなら、というところまででそこから先には考えが及んでおらず、「髪の毛を提供してもらい、その髪でウィッグを作り、受け取ったら笑顔になる、という単純な状況ではありません」「誰かのためにと思っている側の無意識の差別」という言葉にはハッとさせられました。
ウィッグを渡して問題は解決しているのか?と問われると、必ずしもウィッグを必要としない社会こそが目指すところであって、ヘアドネーションは本質的な課題解決にはならないのかもしれません。
また別の視点に目を向けると、ヘアドネーションの活動を広めたいという企業・団体の声は多々あるものの、CRSの文脈などで周知するだけであって、継続的な支援について考えられているかなどという問題もあるようです。
現実的に、髪の毛が集まっても対応しきれずにヘアドネーション団体が撤退し始めているところも出ているとのこと。
ヘアドネーションが急激に普及する一方で、『そこから良くも悪くもヘアドネーションが「いいこと」に差し替えられて、本質的なものが抜け落ちたまま拡がっていった印象があります』と渡辺氏は言う。
今回いくつか読んだこうしたネガティブな捉え方をした記事を読み、私なりに色々考えるところはありましたが、しかしながら、やはり自分の髪が捨ててしまえばただのゴミが誰かの役に立てるのであれば、理由はどうであれ、それを必要とする人が居るのであれば、私は自分の出来る範囲のところで協力したいという思いは変わりません。
ヘアドネーションという活動が、よりインクルーシブで多様な人々に興味を持ってもらえるよう、こうした活動の意義や課題点についてドナー、医療用ウィッグの提供者、そしてレシピエントそれぞれの視点や声に向き合い、正しく理解されていくことを願っています。
閉 会
点 鐘