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第399回 例会2023年8月23日(水)0:00〜2023年8月29日(火)23:59 開催

開 会

点 鐘

ロータリーソング

職業奉仕 四つの反省

会長の時間

2023-2024年度会長 大塚 和光

 皆様、おはようございます、こんにちは、こんばんは。どれか当てはまるもので、先ずは、ご挨拶。2024-25年度会長を務めます大塚和光です。どうぞ、よろしくお願い致します
 

 

 紹介してきたように、「水不足」という問題にしても発生する原因は様々で、水独自の特徴や政府や自治体の財政状況などが複雑に絡み合っているため、なかなか解決の糸口がみつからないのです。
 
水不足解決のための技術開発
 とはいえ、水不足の解決に向けた技術開発も進んでいます。以下では水不足を解決する手法として注目を集めている「海水淡水化」と「人工降雨」について紹介します。
 
海水淡水化
 海水淡水化とは、その名の通り海水から塩分を取り除き淡水にする技術のことです。日本や中国などで開発が進んでおり、乾燥地帯の沿岸部に加えて、内陸の帯水層や河川などの汽水(わずかに塩分含んだ水)を飲料用や、農業・工業用水に使用するためにも導入されています。
 一方で、塩分を取り除いた後の排水「ブライン」について、懸念点も残っています。ブラインには淡水を生み出す過程で、海水から取り除かれた塩分が含まれており、塩分濃度が非常に高いのが特徴です。この濃縮塩水であるブラインを海洋に排出した場合、排出場所での塩分濃度を上昇させ、海中の酸素濃度が低下する危険性があります。このような酸素濃度が低下した環境では、魚などの水生生物は生きていくのが困難なため、海洋生態系への悪影響が問題視されているのです。今後はブラインに関する課題をどのように解決していくかが、海水淡水化を普及していくうえで重要になります。
 
人工降雨
 人工降雨とは人工的に雲から雨を降らせる気象制御の一つです。言葉だけ聞くと何もないところから雨雲を出現させて雨を降らせるような印象を受けますが、正確には既に浮かんでいる雨雲を活発化させて降水量を制御するのが正しい見方です。中国では1960年代から積極的に導入され、2025年までに国土の約57%で人工降雨を可能にする計画が立てられています。
 しかし、この技術も海水淡水化と同様、懸念点が残っています。人工降雨はまだ発達しきっていない雨雲に対して作用し無理やり降水量を操作する技術であり、これは「どこかで降るはずだった雨を奪う」ことにつながります。
 人工降雨自体は世界各地で実施されているものの、中国のように大規模な取り組みによる影響はまだまだ未知数です。そのため、周辺国の雨量に悪影響を及ぼすのではないかと指摘される一方で、人工的な影響を与えるのは短時間で限定的なため問題はないとの反論も寄せられています。
 

 次に水不足を解決するために行われている、世界の取り組みを見ていきましょう。
 
水不足解決に向けた世界の取り組み

 

 水不足解決に取り組む世界的な機関は多数存在します。
 •国連水と衛生に関する諮問委員会(UNSGAB:United Nations Secretary-Generals’ Advisory Board on Water & Sanitation)
 •国連持続可能な開発委員会(CSD:United Nations Commission on Sustainable Development)
 •世界水フォーラム(World Water Forum)
 •国際水文学計画(IHP:International Hydrological Programme)
 •アジア・太平洋水サミット(Asia-Pacific Water Summit)
 •アジア河川流域機関ネットワーク(NARBO:Network of Asian River Basin Organizations)
 •国連世界水アセスメント計画(WWAP:World Water Assessment Programme)
 
 ここでは国連世界水アセスメント計画をピックアップして、水不足に対してどのような取り組みを行っているのかを紹介していきます。
 
国連世界水アセスメント計画(WWAP:World Water Assessment Programme)
 国連世界水アセスメント計画(WWAP)は、1992年の「国連環境開発会議(地球サミット,UNCED:United Nations Conference on Environment,Earth Summit)」にて合意されたアジェンダ21(※)の淡水に関する目標の進展把握と、2000年の第2回世界水フォーラムで採択された世界水ビジョンの提言実施状況の観測を行うために、日本政府の支援によって活動が開始されました。
※アジェンダ21とは:1992年の国連環境開発会議で採択された21世紀に向け持続可能な開発を実現するために各国および関係国際機関が実行すべき行動計画
 
 活動開始から徐々に発展を遂げ、現在では国連システムにおける水に関する最重要なプログラムと位置付けられるようになっています。
 
主な活動内容は、
 1. 世界水発展報告書の定期的作成(3年ごと)並びに要請に基づく各国政府への助言
 2. 水情報ネットワークおよび水ポータルの構築
 3. 各国政府および国連機関の能力開発
 4. 水紛争解決プログラムの推進
の4つで構成されています。
 
 水不足への取り組みは、世界水発展報告書のデータを根拠に行っていることも少なくありません。実際、環境省や国土交通省など、日本の公的機関の資料でも信憑性のあるデータや統計として世界水発展報告書から引用される場合もあります。
世界水発展報告書のような水不足に関して信憑性のある情報を公表していることは、政府や自治体、企業が連携して問題を解決していくためにも不可欠といえます。
 
水不足解決に向けた日本の対策
 日本でも水不足の解決に取り組む団体がいくつか存在しており、日本水フォーラムもその一つです。日本水フォーラムは2003年に開催された「第3回世界水フォーラム」をきっかけに、翌年2004年に設立された団体です。地球上のすべての人々が、水の恩恵と価値を最大限に享受できることを目的に、国内外問わず、国連機関・国際機関、諸外国の政府・自治体、民間企業、研究者やNGOなどとともに、水問題解決に取り組んでいます。
 
 次に日本水フォーラムが行っている活動の一つでもあるJWFファンドについて紹介します。
 
【水不足への金銭的支援を行う】 JWFファンド
 JWFファンドは日本水フォーラムによって2005年に設立され、独自に運営される助成基金です。発展途上国の水問題を草の根レベルで解決するということを目標に、現地の団体に支援を行っています。毎年度、支援を行うプロジェクトの公募を行い、採択されたプロジェクトに対して1,000USドルを上限に資金援助を行っています。また、2021年から支援金額が上昇し、1,500USドルまでを上限としています。
 公式サイトによると、2005年から2021年5月までで184件のプロジェクトを支援し、総受益者数は250,000人を越えたと記載されています。支援は日本水フォーラムの会員からの会費や一般の方からの寄付金によって賄われているため、興味を持たれた方は寄付を行ってみてはいかがでしょうか。
 
水不足解決に向けた企業の取り組み
 世界的な水不足問題を解決するためには、政府や自治体、団体だけでなく、企業の取り組みも欠かせません。以下、水不足解決に取り組むアメリカ企業、ジャニッキ・バイオエナジーについて紹介します。
 
【排せつ物から安全な水を】ジャニッキ・バイオエナジー
 2015年、アメリカのシアトルに本社を構えるエンジニアリング会社「ジャニッキ・バイオエナジー」は、人間の排せつ物から水と電力を生み出す装置「オムニプロセッサー」を開発したと報じられました。この装置では1,000度の超高温で排せつ物を加熱して水分を除去し安全のための処理を施します。その後、乾燥させた排せつ物を燃やした熱で発電し、この電力を使用して水を抽出する仕組みです。
 このプロジェクトはマイクロソフト創業者ビル・ゲイツ氏の慈善団体からの支援をうけて手掛けられており、ゲイツ氏は、次世代の処理場は私が見たものよりもっと先進的で、10万人の排泄物から1日当たり8万6,000リットルの飲用可能水と250キロワットの電力を生成できると語っています。世界的な資産家でもあるゲイツ氏がこのような取り組みを支援することは世界の水不足問題を解決するためにも非常に重要な意味を持っています。
水不足の解消に向けて私たちにできること
 水不足を解決するには、最先端の技術や多額の設備投資が必要なため、私たちにできることは多くありません。しかし、今後水不足に陥った場合、もしくは陥りそうになった場合に、役立つであろうことを紹介していきます。
 
 水不足に対して私たちにできることは、もっと「水」に対する理解を深めることです。例えば、自分たちが普段使っている水が他国ではどの程度の値段なのか、自分たちが摂取している水の水源地はいったいどこなのか、またどうやって運ばれているのか、などが挙げられます。こういった水に関する知識を蓄えていることで、安心で安全な水を供給するのにどれだけのコストが必要なのか、またそれに携わる人たちがどれだけの労力がかかっているのかを理解できるようになります。
 水は安い方がいい、できれば無料がいい、という世論が大勢が占めるなら水分野への投資は限られ、結果として安定して供給する体制は維持できなくなっていくでしょう。生活に安息をもたらす水に対して、改めてその価値を再認識することが、私たちにできる水不足への対策でもあります。

 次回からは水そのものからは少し離れて「トイレ」について考えてゆきます。

幹事報告

2023-24年度幹事 原 いづみ

◆再案内:ポリオプラス・ソサエティ入会に関する案内について◆
 5月に配信されたポリオプラス・ソサエティ入会について、再度案内がありました。
 入会をご希望の方は、下記の参加申込書の提出をお願いします。
 【①会員向けPPS 案内と手順2023(RID2780)
 【②PPS 参加申込書2023 (RID2780)
 

◆ロータリー全国囲碁大会案内状◆
 詳細は下記よりご覧ください。
 【【囲碁同好会20231021全国大会】RC宛案内状

委員会報告

出席委員会

第398回例会 出席率 66.6%
 会員数 3名 出席者 2名 欠席者 1名

Visitors

第398回例会のビジターコメント

小田原中ロータリークラブ 安藤 譲 様


人口が増え続けていることは知っており、2000年頃は地球上の人口は約60億人と言われていた時代が20年で80億人を突破し、20年間で20億人増加したことになるわけですが、食料を増産しなければならないことは容易に想像できるところですがそれが要因とする水不足に陥っているところまでは想像出来ておりませんでした。
水を大切にしよう!的なことは日本でも良く言われることではありますが、今回のお話は別次元のお話で食料をどうやって確保しつつ食物を育てる水をどうやって確保するのかその解決策について次回のお話も聞いてみたくなりました。
ありがとうございます。

Smile Box

第398回例会のスマイル報告

前回はありませんでした。

今週のプログラム

卓話:きものがたり歳時記(四十三)

卓話者 十一代目大塚重郎右衛門 様

 
汗袗
 汗とりに用いる肌着。ガーゼ襦袢網襦袢などがある。
  汗とりや竹にかけたる仮の宿    冷月

 季寄せにあるように汗袗(あせとり)は汗で衣類がべとつかないように肌に直接つける汗取りの肌着をいいます。麻や縮みなど風通しの良い布が使われます。和装の汗取用肌襦袢として素材や形態から紙縒襦袢・ガーゼ襦袢・管襦袢・竹襦袢・網襦袢といったものがあります。
  汗に朽ちば風すすぐべし竹襦袢    嵐雪
 夏の着付けはエアコンがなければ帯を締め終わる前から汗だくですよね。帯下のタオルも肌襦袢の身八つ口も、びしょびしょ。背中や太股の内側をツゥ─ッと汗が流れ落ちるのがわかるくらいに汗ダラダラ。着てしまえば案外涼しいものなのに着付け中は話は別です。
 汗ジミ対策用の和装製品は昔から様々に工夫され、実に多様なものが沢山あります。最近は実際使われる方が少なくなりましたので殆ど売れませんが。脇汗が気になる人の汗取りインナー、汗を感じて生地が換気するもの、脇汗が表にシミない生理用ショーツと同じ仕組になっているもの、などなど。お値段もピンからキリまでいろいろです。
 実際に汗取りインナーを着てみられれば、宣伝文句にも「着ているほうが涼しい」というだけあって思った以上に快適なはずです。脇汗に関しては本当にサラっと吸収してくれるのを実感できますよ。
 いろいろな汗取りがありますが、中でも天然のスポンジとも呼ばれる燈芯の「あしべ織り」は軽量であるにもかかわらず抜群の吸汗性を発揮します。川辺に生える葦の芯の部分を抜き取ったものを薄い綿布で包んだものを織り込んで作製します。実際に葦の中を開けて見ると芯と呼ばれるものは極僅かしか入っていません。これを集めて汗取り肌着用にこしらえるのは本当に気の遠くなるような手間がかかります。このあしべ織りを作製できる職人さんは高齢ということもあり作製数も制限されているのが現状です。 
 リサイクル着物で浴衣や夏物を探すのが難しいのは、大抵、衿汚れや身八つ口に黄ばみがあるからです。仕舞う際にはわからなくても汗によるシミは数ヶ月もするとどんどん変色してきます。自宅で洗える着物は水洗いで落ちますが、正絹の夏物は自宅でじゃぶじゃぶ出来ません。でも、ドライクリーニングで水溶性の汚れは落ちませんから、きちんと汗抜きしないで、そのまま仕舞うと次の夏には大変なことになっているかもしれません。

 汗手貫
  汗のため袖口などの汚れるのを防ぐのに用いる手貫。
  僧侶や老人などが用い、籐や馬の毛、鯨のひげなどで作られる。
   新発意の汗手貫して来たりけり   飴香

  汗手貫老僧も汗をかヽるヽ歟     青木月斗
 汗手抜きは手首に直接装着して用います。衣服が直接肌に触れないため涼しいのです。生糸などでも作ることがあるようです。私は小学生の頃、お寺の日曜教園に通いました。そこで先々代の和尚様の腕にあるのを初めて見ました。因みに新発意(しんぼち)とは発心して僧になったばかりの人をいいます。しぼち、しんぼっちとも言います。
 僧侶が仏前で着る衣服を法衣(ほうえ)や袈裟といいます。袈裟は布状の衣装で法衣は袈裟の下に身につける衣です。この二つは別ものです。混同しやすいですが法衣と袈裟を合わせて僧侶の衣装となります。袈裟はインドの習慣から不浄とされる左肩を隠し相手に敬意を表すよう右肩を出して着用されます。法衣には正装用と略装用の二種類があり、正装用は主に葬儀や法事などの儀式や年中行事などの際に着用します。略装用の法衣は普段の勤行(ごんぎょう)などで着用し宗派によって形も呼び名もそれぞれです。
 この二つの大きな違いは袖の大きさで略装用の袖が普通の着物並みの寸法であるのに対して正装用は手がすっぽり隠れるほど広く大きなものになっています。正装用の袖のひだは略装用に比べてとても多いのも特徴のひとつです。
 正装用の法衣は宗派による形の差はほとんどありませんが、どの宗派においても僧侶の階級である「僧階」や「僧位」によって色分けされています。法衣の色を見れば、その僧侶の階級がわかってしまうのです。緋色を最高位とすることを除いて僧階と色使いの関係は各宗派の任意となっています。略装用は黒一色しかありません。なので、お寺で見かける僧侶は黒の法衣姿であることが多いはずです。
 お釈迦さまの着用していた袈裟は、サンスクリット語の「カシャーヤ」が語源で汚物を拭ったようなボロボロの布をつぎはぎして作ったようなものであったといわれています。このことから糞を拭う布で作られたという意味で「糞掃衣(ふんぞうえ)」とも呼ばれました。かつてつぎはぎして作られた名残から現在の日本の袈裟は新品の布を小さくし、わざわざつぎはぎをして作られています。
 清掃などの日常の雑務の際には作務衣(さむえ)という
上着ともんぺを着用します。山岳修行時の「鈴懸(すずかけ)」と呼ばれる衣服も上着と袴に分かれています。

※引用文は山本健吉編【季寄せ】(昭和四十八年文藝春秋社刊)による。
 

※本稿は阿夫利嶺俳句会の月刊誌「阿夫利嶺」に掲載されていた連載を編集して掲載しております。(No.58)※

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